2020年2月5日(水)放送の『ワールド極限ミステリー』3時間スペシャル。
ここでは、韓国で実際に起こった衝撃ミステリー『24年間行方不明で記憶喪失の妻と、その妻を待ち続けた夫』について取り上げます。
24年前の韓国で、3人の子どもと夫を残して突如行方不明になった妻。
24年ぶりに奇跡的に再会するも、妻は記憶喪失に。
なぜ24年もの間、妻は行方不明だったのか?
行方不明になっていた間に妻に起こっていた、衝撃の展開とは?
⇒ワールド極限ミステリー4月1日(水)放送「ダイアナ元妃の事故」についての記事はコチラ。
韓国で24年間行方不明だった妻は記憶喪失になっていた?!【ワールド極限ミステリー】
時は、1981年。
韓国の済州島に、ある夫婦と3人の子どもが暮らしていました。
ある日妻のミヨンは、「釜山のおばさんの家に行く。夜には帰る。」と言って家を出たあと、その後突如として行方不明になってしまいます。
しかし、韓国国民なら全員持っている身分証・住民登録票は、家に置いたまま。
失踪する理由が見つからず、手立てもなく途方に暮れる夫ヨンチョルでしたが、
妻ミヨンといつか再会できると信じ、夫ヨンチョルは3人の子どもを必死で育て、妻を待ち続けます。
そして、事件発生から24年後。
なんと妻ミヨンが見つかったという知らせが夫ヨンチョルのもとに届き、喜ぶ家族たち。
しかし、失踪から24年後に再会した妻ミヨンは、記憶喪失になってしまっていました。
そして、24年間も待ち続け必死で生きてきた夫と子どもたちにとってあまりに残酷な
衝撃の事実が明らかとなります。
その衝撃の事実とは?
韓国で24年前に妻が失踪した理由と行方不明の間の出来事が衝撃的【ワールド極限ミステリー】
家族との関係も良好で、調査でも妻ミヨンに個人間トラブルは確認できず、謎だった突然の失踪。
なぜ妻ミヨンは、24年もの間行方不明だったのか?
24年前。
釜山の叔母の家に向かおうとしていた妻ミヨンは、道中、車のひき逃げにあってしまいます。
頭を強く打ち意識を失って倒れていた妻を、男性(以降カンソク)が発見。
妻ミヨンは病院に運ばれ治療が施されますが、一時は深刻な状態でした。
その後、医師の治療の甲斐あって、妻は回復し、意識を取り戻します。
しかし目覚めた時、妻は記憶を失っており、自分のことを何も思い出せなくなっていました。
身分を証明できるものも何もない。
文字の読み書きもできる。ものの名前も憶えている。
しかし、これまでどうやって暮らしてきたのか、どこに住んでいたのか
自分自身にかかわる記憶が、すべて抜け落ちていました。
医師に診断された結果は、「逆行性健忘症」。
ひき逃げに遭い昏倒した際に頭を打ったことで、記憶をつかさどる海馬が傷ついてしまったのが原因でした。
この病気は、強いショックが原因で記憶の一部がすっぽり抜け落ちてしまう症状。
海馬は時がたてば回復しますが、なにかのきっかけで記憶が戻るのを待つしかない病気です。
記憶喪失以外は身体に何の異常もなかったため
医師に退院を勧められた妻は、その先どこにいけばいいのか途方にくれます。
しかし、妻を助けた男性カンソクが、困っている彼女に救いの手を差し伸べます。
入院費を払い、食堂を紹介して働き先を見つけ、知り合いを頼って住む家まで世話をするカンソク。
このままではいけないと警察に行きますが、当時の警察は、指紋だけでは身元を探してくれませんでした。
そんな中、記憶が戻らず不安な妻を精神的に支えたのが、助けてくれたカンソクでした。
次第に、彼女の中で彼の存在が大きくなっていく中
記憶喪失から1年後。
カンソクが、
「実家にもどることになった。君もこないか?一緒にきてほしい」
と、なんと妻にプロポーズ。
そして、
「記憶が戻るまででもいい。その間だけでもいい。君と一緒にいたいんだ」
というカンソクの誠実さに打たれ、プロポーズを受け入れます。
そして二人は、釜山から遠く離れたヨンウォル(寧越)へ。
そして2年後。
妻は妊娠し、男の子を出産します。
一方、韓国済州島の夫ヨンチョルは、お見合いの話も断り、妻ミヨンの帰りを待ち続けていました。
5年の月日が流れていましたが、「子どもには母親が必要だ」と考え
夫ヨンチョルの妻への想いは変わりませんでした。
そして、さらに10年の月日が流れます。
カンソクと妻ミヨンの間に生まれた男の子は19歳に。
韓国には、19歳から29歳までの間に兵役の義務があるのですが
入隊検査のため提出する書類に、「両親についての記入欄」があり
男の子は、妻(男の子からは母親)についてどう書けばいいかを両親に相談します。
そして、今後男の子に訪れるであろう就職・結婚のことを考え、再度戸籍調査を依頼します。
3か月後。
警察から、戸籍が見つかったと連絡が入ります。
そして戸籍謄本が妻ミヨンに渡されますが、そこには
彼女には、夫と子ども3人がいた・・というあまりにも残酷な事実が。
妻ミヨンが見つかったという知らせは、済州島の家族にも届きます。
そして、警察から男性カンソクのもとに「済州島の家族が妻に会いたいといっている」と連絡が入ります。
そしてついに、ヨンウォルで夫ヨンチョル、3人の子どもと妻ミヨンは再会を果たします。
「よかった 無事だったんだね」と24年ぶりの再会に喜ぶ夫と子どもたちでしたが
記憶を取り戻していない妻は戸惑い、
「なにも思い出せないの」と夫たちから離れます。
そして、カンソクが話すこれまでの経過に、夫は愕然とします。
夫ヨンチョルは妻と「2人で話したい」とカンソクにお願いしますが
夫は「ずっと待っていた。帰ってきてほしい」と言い出せません。
今でも妻を愛していました。
しかし、妻には新しい生活と家族がある。
そこで、夫はある決断をします。
その決断とは・・・・
韓国で24年間行方不明の妻を待ち続けた夫が下した悲しい決断【ワールド極限ミステリー】
夫ヨンチョルが出した結論。
それは、待ち続けた家族にとってあまりに残酷で悲しいものでした。
「彼女を、よろしくお願いします。身体を大切にしてください」
と夫は、カンソクと妻に伝えます。
夫ヨンチョルは妻ミヨンの幸せを願って、24年間待ち続けて今も愛する妻への気持ちを押し殺し、身を引くことを決断したのです。
数奇な運命に翻弄された2つの家族の話は、当時韓国の新聞で報じられ
多くの人の涙を誘いました。
韓国で24年間行方不明だった記憶喪失の妻への疑問【ワールド極限ミステリー】
物語をきくと一見、涙を誘う悲劇なのですが
どうしても解せない部分もあります。
その疑問点をそれぞれ挙げたいと思います。
韓国で記憶喪失になった妻への疑問①:身分証だけ家に置いてきた
このエピソードを見て真っ先に抱いた違和感は
「身分証だけを家に置いてきた」
ということ。
韓国では、17歳になると全員に「住民登録票」という身分証が発行され、そこには生年月日・性別・出生地・指紋が登録されています。
それこそ、これ1枚で身分のすべてを証明することができ、経歴もわかります。
日本のマイナンバーや運転免許証などよりずっと強力な身分証であり、韓国人は肌身離さず携帯しているといいます。
財布に入れてあって財布ごと忘れたならわかりますが
妻ミヨンの場合、財布は持ち出しており、身分証だけを忘れています。
この「身分証だけを忘れた」というところに、なにか意図的なものを感じるのです。
韓国で記憶喪失になった妻への疑問②:身分につながるものも何も見つからなかった
そして次に違和感を覚えたのは、発見された当時
「身分につながりそうなものが、何もみつからなかった」
ということ。
かばんや財布は発見されたようですが、名前が分かるようなもの
例えば通帳や名前の書かれた何かが、何ひとつ見つからなかったのです。
ここにも作為的な何かを感じてしまうのは、勘ぐりすぎでしょうか?
韓国で記憶喪失になった妻への疑問③:自分の身の上のことだけを記憶喪失
そしてもう一つ疑問に思ったのは
「自分の身の上のことだけをきれいさっぱり忘れていた」
ということ。
前に挙げてきた疑問点と合わせるとさらにですが、あまりにも都合がいいのです。
たしかに、事故に遭った際に頭を打ったショックで一時的に記憶喪失になったのは事実かもしれません。
しかし、組織が回復すればいつ思い出してもおかしくなく、
記憶喪失になったのなら、記憶を取り戻すためにもっと必死で自分について調べてもいいと思いますが、彼女は新しい生活を早々に受け入れています。
もしかして、妻の記憶喪失は、最初からか途中からか自作自演であり、すべて覚えていて故意に行方をくらませようとした可能性もあると思えるのです。
韓国で記憶喪失になった妻への疑惑
妻ミヨンは退院後、カンソクに連れられ警察に行きますが、身分を明らかにすることはできませんでした。
「警察なら身分を割り出してくれるのでは?」
という疑問がありますが・・・
警察が妻ミヨンの身分を明らかにできなかった理由にはいくつかの事情があります。
ひとつは、DNA鑑定が行えなかったということ。
今では事件捜査に欠かせないDNA鑑定ですが、実用化されたのは1986年のイギリスが初めてであり、この事件が起きた1981年には存在していませんでした。
そのため遺伝子による本人特定をする術がなかったのです。
そしてもう一つは、指紋から辿ることができなかったということ。
韓国の住民登録票には、指紋も登録されています。
しかしコンピュータなど普及していない時代。
本人の指紋が取れたとしても、それを照合する術は、現物の住民登録票と比べるしかありませんでした。
しかし妻ミヨンは、その肝心の住民登録票を持っていなかった。
そして名前すらわからなければ、戸籍をたどるということはできません。
このため警察も、これ以上どうしようもできなかったのです。
これらのことを踏まえると、感動とは少し違った物語が見えてきます。
本当は記憶があっても「忘れた」として、身分証を持たなければ、どこの誰かということが明らかにされることはない、ということになり
つまり言ってしまえば、
「自ら故意に身寄りがない状態を作り出す」ことも可能だったわけですね。
一見幸せそうな家庭でも、本当に皆が幸せかどうかは、本人たちにしかわからず
もしかして、妻は家族に不満を抱えていて逃げ出したかったのかもしれません。
そんな裏話もあるのではないかなあと、個人的に思いました。
まとめ
「ワールド極限ミステリー|韓国で24年間行方不明の妻が記憶喪失で発見!」
についてまとめました。
もう40年近く前の話ですが、真相は闇の中ですね。